4月16日 土曜日  

■■■2回目の陸前高田市■■■

今回はケイコとnonちゃんと行く事に。
nonちゃんが一生懸命集めてくれた物資と、
前回1日過ごさせていただいて、必要かなと
思ったものを載せて再び陸前高田に向かった。
作業なども考え、ブーツや軍手などの準備もOK。

出発前、nonちゃんが物資輸送車両は
高速道路が無料になる情報を教えてくれた。
市役所に行くと、3日前から発行し始めた
とのこと。ありがたい。

相変わらずぼこぼこな東北道を進む。
途中、行きにSAで睡眠取ったり、トラック4台の
事故のせいで大渋滞にハマったり。
少々行くまでに時間がかかってしまった。

なんとか午前中には陸前高田市に。
前回は行かなかった陸前高田の海岸まで行ってみた。
松原のあった場所は見る影もなく海に浸かり、
自衛隊か業者さんが補修したであろう人工的な岸が
続いていた。

海辺に立っているキャピタルホテル。






二日市公民館に向かうため戻りつつ、
街を見ていく。
一番上の写真は消防署。






ほぼすべての店が流されてしまっている状況の中、
ちょっと内陸に入った竹駒にあったSSが
営業を開始していた。

その向かいの駅があった場所で、一関から来ていた
若い農家の夫婦が、野菜や卵、花などを
売っていたので、車を止めて
キャベツ1ケースと卵43個を購入。


少しずつだけど、前へ進んでいる事に
公民館への道を走っていて気づいた。

漁関係の養殖用の網や浮き等が
だいぶ撤去されていた。

前回よりも何かを探しているであろう方々も
あまり見られなかった。
あとは瓦礫の撤去待ちなのかな。

二日市公民館に到着。
着いた瞬間ヒロタカが、あのアニメの事ばかりで
お手伝いをしてなかったヒロタカが軍手をして
お手伝いをしていた。
そして僕を見るなり抱きついてきた。

シュンヤ、畳屋さん、板さんの顔は見えない。
ヒロタカに聞くと、シュンヤは水汲みのお仕事を
調理場の裏で。畳屋さんと板さんは車を小川で
洗車中とのこと。

シュンヤの所に行くと、わき目もふらずに水汲み。
再会なのに、こっちも見ない。
照れてるのか、集中してるのか。
気を引くために持ってきたDSi LLや
コロコロ2ヶ月分を渡す。
それでも水汲み優先。偉い。
僕が見習わないと。

と、そこへ、自転車で畳屋さん登場。
眼を丸くして驚いてた。

一週間ぶりの二日市公民館。挨拶しながら
見回すと公民館横の物資置き場にすごい数の物資が。
自衛隊がほぼ毎日届けてくれるらしい。
嬉しい反面、今回持ってきた物を
受け取ってもらえなさそうな気がした。


ちょっと不安になって、他に持っていけそうな所は
ないかと聞くと、近くに月山神社がありそこにも
避難してる方々がいるからそこに持っていって
みたらと。
ヒロタカに案内してもらって、4人で歩いて
いってみる。

もうすぐ着くというところで、シュンヤが自転車に
乗って追いかけてきた。

前回アウトドア義援隊から譲り受けた物資で
持ってきたTシャツを着ている。
というか寒空でもそのTシャツ1枚。
オレンジ色のエイプのTシャツ気に入ってくれた
みたい。

月山神社に着き、境内まで行ってみる。
物資がそこそこあるのを確認して、とりあえず
引き返してきた。


二日市公民館に引き返してどうしようかと
思っていると板さんも車で登場。
とりあえず板さん用に持ってきた、味覇や
片栗粉を渡す。いっしょに発泡酒やキャベツなどを
渡してみる。
大喜びしてくれたので、必要な物を見てもらって
どんどんもらってもらった。

と、周りの家の方々も集ってきてくれて、
nonちゃんが選んできた物資や
nonちゃんのお父さん提供の調味料などが
大変好評。
塩はこれでもかっていう量があったけど、
漬け物をよく作るらしく、漬け物に使うと
言い、全部もらってもらえた。
一瞬にして無くなった。

渋谷のthe roomで物資の収集をされていた
らっさんから譲り受けた、色鉛筆や画用紙、
桶なども需要があった。

一気に半分以上に減った。
残った物はまた月山神社で見てもらって
欲しいものがあればもらってもらおうということで
一段落。

時期的には、物資を持っていったり
送ったりするのであれば、
一般物資で入ってこなそうな物を
持っていくのが喜ばれるみたい。

今回nonちゃんナイスだったのが、ハイター。
ハイターを見た方々がハイターほしい。と。
また、洗濯用の固形洗剤、柔軟剤、
爪切り、耳かきなどの声が。

前回来たときは前日夜中の地震などのせいで
停電や休業の店が多かった一関市だったが
今回は大体どこもちゃんと営業しているよう
だったのを思い出し、
じゃあ、一関まで買い出しに行ってきますね〜と
言い、出ようとすると。

物資を配ってる間に昼ご飯を用意されて
しまっていたらしく。
3人でありがたくごちそうになる。





昼前までは日も照っていたので、そこそこ暖かく、
今日の昼食はざるそば。
雨が降って寒くなってしまって、ごめんねー。
と言われたけど、全然。

焼きもちもいただいて満足。

みんなと食べるご飯だから何でも美味しい。

お礼を言って、ケイコとnonちゃんを乗せて
一関に買い出しだ。と、
必要な物をメモって準備をしていると、
ヒロタカ、シュンヤ、菅野ちゃん、小泉ちゃんも
行きたいとのこと。

ハイエースはでかいけど5人しか載れないので
思案していると、ケイコとnonちゃんが公民館で
待っててくれるとの事。

それじゃあということで、子供らを載せて出発。

※ここからは運転だったため、
 写真がありません。

 

■■■アイスクリーム■■■

ヒロタカ、シュンヤ、菅野ちゃん、
小泉ちゃんを乗せ、
一路一関市街地へ。片道60kmほど。

途中トイレのためコンビニに寄る。
小泉ちゃんがアイスクリームを見ている。
震災後はあまり口にしてないだろうと思い、
よし、みんなで食べよーって
4人にアイスクリームを買う。
mowやハーゲンダッツ思い思いに手に取り、
レジへ。

車に乗ってみんなで食べ始める。
「一ヶ月ぶりにコンビニきたーー」とか
「一ヶ月ぶりのアイス」とか。
喜んでもらえてよかった。

道中小泉ちゃんが銀行にお金を入れたいと言うので
目当ての銀行を探して行くも、
みんな土曜日だという事をすっかり忘れてて、
入金出来ず。
避難所生活で曜日感覚が無くなっているみんなは
まだしも、僕まで忘れててごめんなさい。

このとき、iPhoneで銀行の場所を
検索したんだけれどもみんな口々に、
スマートフォンだスマートフォンだと 笑


■■■最初は分からなかった■■■

よくしゃべるシュンヤが
一関までの間にある小さな街を見ながら、
「俺ここ来た事無いけど、懐かしい風景!」
というので、何言ってんだと笑っていると
菅野ちゃんが、
「そうだねー普通に建物がたってるもんなー」と。
あぁ、そういう事だったのか。
シュンヤはただおしゃべりで適当に
話していたのかと思っていたけれども
本当にそう思って言ったんだ。
言葉が出なかった。

他にもいろんなことを言っていた。
危険と解かっていながら、そこに家を建てて
津波に流されましたよ、えぇ僕らが悪いですよ!
とか、いいなぁ普通の生活してて。とか。
冗談っぽく言ってたけど、
僕は何とも言えなかった。

また、ヘリコプターの音が聞こえないなんて
何日ぶりだろうという言葉も印象的だった。


■■■一関買い出し紀行■■■

一関の市街地が見えてくると、
みんなのテンションがすごく上がった。
ゲオだー!TUTAYAだー!

僕の会社の名前が山屋ということは前に
話していたので、酒屋のやまやを見た瞬間に
成瀬さんの山屋よりでかいーとか。
そうですねー!でかいですねー!

嬉しそう。
連れてきてよかった。

まず、ハイターや柔軟剤。
イオンに入るとみんな協力してくれて、
あっという間に必要物資がそろった。

レジの列に並んで会計すます間、
みんなを本屋にいかせた。
4人とも歩いて向かってたけど、背中は嬉しさ満載。
今にも駆け出しそうだった。

さすがに女子たちはお金多少持ってるみたいで、
自分たちの思い思いの本を買っていた。

ヒロタカは170cm以上あるけど、中1。
僕が1冊コミックを買ってあげた。

 

その後、イオンの向かいにあるゲオへ。
菅野ちゃんがDSを購入。

ヒロタカが欲しいゲームソフトを
僕の所へ持ってくる。却下。

外へ行こうとするとガチャガチャを見つけて、
これでもいいから。という。却下。

公民館のお手伝いをして、みんなが
よくやってくれると言ってくれたら買ってやると
約束。

 
女子2人がカラオケしたいーって言うので、
じゃあカラオケも行くかー!って言ったけど、
17時までに帰らないとごはんが
食べられないとの事。そして怒られるとの事...。
それじゃあ仕方ない。この時すでに16時。
ナビの到着予想時刻は17時半頃。
すでに無理 笑

帰りの道中、買い忘れていた爪切りや耳かき、
それにあった方がいいとみんなが言うので、
トイレ洗剤や芳香剤も。

ガソリンも給油して、公民館へ到着。
時間に間に合わなかったけどなんとか
怒られずにすんだ。

と、ケイコとnonちゃん夕飯をいただいた模様。
量が多かったらしく苦しそうだった。
残したら失礼だからとnonちゃんがんばった。

僕もまたいただいてしまう事に。
夕飯は僕がハナマサで大量買いした豚肉も
使ってくれてた。
みそ汁もひじきも美味しかった。
さすが板さん。



食べ終わって外に出ると、畳屋さんが
子供たちすごく嬉しそうな顔で帰ってきたよ。
気分転換できたみたい。ありがとう。と。

こういうこともありだなと思った。
小さな支援しかできないけど、
少人数にしか出来ないけど、これで喜んでくれるなら
また連れ出してあげたいと思った。
ガソリンの供給は内陸の方は安定してるし。









■■■まさかの宴■■■

そのままたき火のまわりを囲んでるベンチに座って
タバコを吸ったり、皆さんと話をしていると、
お腹いっぱいで中で動けなくなっていた、ケイコと
nonちゃんも出てきて、会話が始まった。
そのうち席替えが始まって、僕が上座、
右側と左側にそれぞれ男、女、男の組が 笑
地元の日本酒月ノ輪が出され、酒も入り、
談笑どころか、爆笑の宴に 笑

こういう女性にしか出来ないことがあるんだなと
思ったけど、ちょっとキャバクラみたいになった。
席代くらいもらわないと。か 笑

途中大型トラックを載っていたというご婦人が
現れて、今度は僕がご婦人とチークダンス。

喜んでくれたのだろうか。

みんな酒が入るにつれ、声のトーンを
抑えられなくなっていて、消灯の20時半過ぎても
外で騒いでいたので
幾度となく公民館を仕切ってる会長さんに
お叱りをうけた。

さすがによくないので、なんとか21時には
公民館を後に。

そういえば、ナルセさんはギターを弾けないのか?
童謡なら誰でも歌えるから、ギターを弾きながら
みんなで歌を歌いたいと言われた。
練習しなきゃ。


■■■さらなる買い出し■■■

3人でさてどこで寝ようかとか話している
会話の中で、ズボンがたき火の飛び火で穴が空いて
しまったり、そもそも替えが少ないということを
ケイコとnonちゃんがおじさんたちから聞いていた。
他にもごま油、おろしニンニクなどが
あると嬉しいと。

時間は22時前。
昼に通った道に別のイオンがあって24時迄営業と
書いてあったのを思い出した。
というより、シュンヤが24時間営業と
読み間違えてたのを訂正したやり取りがあったので
記憶にしっかり残っていた。

これは行くしか無いと。
2人も賛成してくれたので、再び一関まで。



イオンに到着。
22:39を23:39と見間違えてて、
慌てて衣料品コーナーに。
ズボンは女性二人に見繕ってもらって、
僕はごま油とおろしニンニクを探しに。
ついでに次の日17日はnonちゃんの
誕生日だったので内緒でケーキとろうそくも探す。
しかしケーキは無く、でも何かしたいと思い
デコレーションされたプリンを3つ。
お誕生日ろうそく数本。
ケイコたちが清算してるレジとは違うレジで清算。
イオンを出たのは23:10頃。
この時時間を勘違いしてた事に気づく。
陸前高田に戻る途中に0時になって、そこで
おめでとうしようともくろむ。

23時半頃、nonちゃんがメールかなにか打っていて
車の中が静かになる。
いつまで経っても静かなので、nonちゃんと
ケイコを見ると寝てた。
30分後に起こすのもなんなので、
峠の路肩の休憩スペースに車を停めてそのまま就寝。

1日目終わり。



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